枯れないは語弊。それぐらいうちでは放置しても丈夫な存在がひとつ。
つい先日、気づいたら大丈夫じゃない全滅寸前だったカラテアを紹介。
いやーでもこのカラテアは最強だと思う。
出会ったのは2017年の夏。
地元の園芸店でふら~っとカラテア狩り中、ストロマンテ・トリオスターに似た植物に出会った。商品名を見ると、ストロマンテ・マジックスターとある。
葉の形状なんかはトリオスターそのまま。若干肉厚。模様が違う。そうか、名前からもわかるように葉の表面に☆が散ったような模様があるから、かな、うん。
どうやらカラテアの仲間、クズウコン科。カラテア属でなくストロマンテ属?らしい。
欲しいカラテアを手に入れる財力しかなかったため、カラテアの仲間であるマジックスターはご購入はできず、園芸店に通うたび愛でるだけ。
愛でるだけ。あの葉っぱ拭きたいな…。
夏から秋も愛でるだけ。あの枯れた根本の葉っぱ、ちぎりたい…。
秋から冬、も愛でる…。他のカラテアや観葉植物は霜にやられて店先から消えたというのに、マジックスターはピンピンしている。
タイミングよく年末セールが始まった。
欲しかったカラテアは秋までに買い尽くしていたので、これはもうマジックスターを買うべきだ。
ご購入して速攻、葉っぱ拭いて根本にたくさんあった茶色い枯れた葉っぱを剪定してやってスッキリ!
霜にもやられずピンピンしていた姿を見ていたせいか、購入動機が剪定したい!という不純なものだったせいか、うちにきてからほぼ放置。
わりとひどい目にあってる。
冬のはじまり頃ハダニにやられ、カイガラムシと思われる白い虫にもやられていた。購入時からいた様子。それでも葉っぱは枯れず、ハダニかなにかの糞で葉がベトベトになる症状のみ。
この頃、室内の他のカラテアといくつかの幼木や観葉植物がハダニやらグンバイムシやらにやられて、その対応と処理と後始末に半べそかいてました。そんな害虫たちが猛威を振るうなか、葉っぱが滅多に枯れることのないマジックスターに、強いカラテアだね!と称賛し、駆除もそこそこ放置。
日当たりもあまりよくない場所にいながらがんばってた。
2018年春、奇跡の出会い!とカラテアをいくつか購入してしまい、マジックスターがさらに隅へ隅へと追いやられる。強い子だから大丈夫、と過信されて。
何度かあった一斉メンテナンスでも見向きされなかった。
この一文に自分で傷ついたわ、マジックスター、申し訳ない!!
水だけは定期的にあげてました。ただ、葉っぱを拭いたり、害虫チェックや土の様子を見るなどのメンテナンスは他のカラテアよりされていなかったのは事実。
先日ついにその存在を思い出され、ようやくメンテナンスされることになったマジックスター。
見てビックリΣ(°Д°;;)
こ、これは、カビがはえたファッシアータよりも酷い!
早急に手を打たねば、枯れる!!
鉢の奥の白いのは、言うまでもなくカビのかたまり!!
発見した瞬間、右往左往。
やばいこれ、部屋の中で処理できない。でも外、暑い。しかし今日やらねば他に植え替える時間ない、そう今日は休日。どうする、ベランダ出るか?でも暑いぞ、時間かかるぞ。どうする、どうする?!
そうだ…家に帰(って庭でや)ろう!
とりあえず手にしたマジックスターの鉢を玄関に置いて、謎の距離をとった。
そして陽が傾くまでソファの上で待機することに。
幸運なことに気づいたのは昼過ぎ。
あと数時間もすれば陽は落ちる。
しばし現実逃避した後、プロ農家にメールでお知らせ。
『庭を借ります』
そのメールに返信はなかった。
陽が傾きはじめた頃、買い置きしていた観葉植物の土と、アルコールスプレー、ハサミとバケツ、軽石など持って帰る準備を整えた。
カビびっちりのマジックスターもそのまま愛車に乗せた。
帰ると勝手知ったるなんとやらでドア開けて「おーい」と声かけ。
まーメールの返信がない時点で、プロ農家が不在なのは見当ついてましたので、愛車から荷物を降ろし、植え替えの準備を進める。
最後にマジックスターを愛車から持って出たところで、なにかの存在に気づき思わず声が出た。
「お前、いたのかー!」
おっきなあくびしながら、距離を保ちこっちを見てる猫。
自分が拾って←捕獲したが正しい、プロ農家母に託した人見知りの激しい猫。
マジックスターを横に置いて座り、距離を保ちながら名前を呼んだ。
でっかいあくびをしながら、ゆっくり近寄ってきた。
警戒心が強く、誰にでもなつかない猫が大好物なので、植え替え忘れてついうっかり猫と戯れてしまった。
撮影会まではじめて満足したあとに、ハッΣ(゜ロ゜)と本来の目的を思い出す。
そうだ、植え替えせねば!
終わってからまた遊ぼうと猫に後ろ髪ひかれつつ、庭に放置されていて植え替えに使えるバケツがないか探した。
雨水の貯まっている手頃なバケツがあった。
動く存在がないか、水面をじっ…と見る。
なぜなら、ここはメダカの養殖場か!とツッコミ入れたくなるほど、庭にあるあらゆる入れ物にメダカが入れられているから。
プロ農家父の趣味の一環です。
慎重に3分ほど水面をにらみ、動くものがないと判断して、鉢から抜いたマジックスターをポンと入れた。
プロ農家父の為ではない。生きているメダカのため、その存在の有無を真剣に判断した。
鉢から出したマジックスターは、底の根にも側面の根にも、ふんわりカビが繁殖していた。気の毒すぎる。
順調に外で作業しながらあらためて、庭いい!便利!周囲が汚れるのを気にしなくていいせいか、作業が楽!なんだこれ、もう土きれいに落ちる!!
作業時間あっという間。
ガシガシ根っこほぐして、バケツの水の入れ換えも3回ほどで終了。
泥水なんてそのままその場にザバー!ですよ、庭いい!
でも自分の近くで毛繕いしていた猫が、たま~に邪魔する。
撫でろよ、ほら撫でろよ…といわんばかりにすりすりしてきたり、目の前にゴロンとしたり…人見知りする猫にここまでされて、愛でない理由などない。
水で、泥で汚れた手をわざわざ洗ってタオルで拭いて、撫でろと要求する猫をちょっとだけ撫でる。作業の合間にそれを繰り返す。
おもしろい写真も撮れましたよ。
このままコイツと遊んでいたら植え替え前に日が暮れる、と危機感を持ち始めたので心を鬼にして植え替え作業に集中。
カビがはえていた根っこの土を念入りに落とされたマジックスター。
根っこに芋は存在しなかった。
予定にない植え替えのため、元の鉢に植え替え直されることとなり、新しい土を鉢に詰めているところ、家人のプロ農家たちが車で帰ってきた。
車が庭に入ってきた瞬間、素早く逃げる猫!
「なんでお前が逃げるんだ!」と、あまりにも素早い反応につっこむ自分がいた。
プロ農家はメールを確認していたらしく、庭で植え替えしている自分の姿に驚く様子もなく車から降り、こう言った。
プロ農家母「その猫はお父さんから逃げてるのよー」
園芸素人「え?もうずっと一緒に暮らしてるよね?」
プロ農家母「ずっと逃げるよ。アンタにも逃げるでしょ?」
話してる間に猫が戻ってきた。どうやら敵であるプロ農家父はすぐ向こうに行った、とわかった様子。
園芸素人「猫、最初からずっとそばにいるよ。撫でるとグルグル言うぐらい」
プロ農家母「なんでかね?」
園芸素人「拾ってもらった恩人を覚えてるんじゃないの?(←誇らしげ)」
プロ農家母「お母さん以外になつくのを見たことないのに、なんでアンタに…」
空気を読んだ園芸素人「アレだよ、たまーにおいしいおやつをくれる人には媚を売っとこうみたいなので覚えてるんだよ…」
拾った責任もあるけど、ツンデレなこの猫があまりにも好みすぎて、おやつやら遊び道具やら貢いでいる自分がいた。
目付きは悪いし、甘え方もヘタ、警戒心強すぎで家人には大変不評の猫ですが。
違う、ここは猫について語るところじゃない。
会話しながら鉢に土を入れ、マジックスターを押し込んでいると作業を見下ろしていたプロ農家が一言。
「それ、分けつした方がいいんじゃないの?」
園芸素人「う…、そうかもしれないけど、鉢もないし、」
カビがはえて植え替えしただけだと、言えない園芸素人。
「ちょっと元気ないから来年、分けつ(株分け?)しようかなと…」
プロ農家の厳しい目から逃げるように、そそくさと土をかぶせ植え替え終了。
植え替えから数日が経過するも、植え替え時のダメージで葉が枯れることもなく落ち着いた様子のストロマンテ・マジックスター。
新芽も順調に伸びてます。
置き場所は見直すとしても、ほぼ放置されつつ葉っぱもほぼ枯れないマジックスター。
やはり手間いらずでうちでは最強のカラテアだと思う。
マジックスターのカビを見つけたこともあって、連日メンテナンスの日々を送っています。
サーキュレーター稼働するようになってから、カビの発生もマシになってきたような。←当社比。
マジックスターの植え替えは予定になく急を要したこともあり、ファッシアータの諸事情も解消された今、次回こそは猫のおやつをしっかり買って帰り、存分に庭でファッシアータの植え替え作業をしようと計画中です。